〈コラム〉シンボライズディレクター

初めて会った人と名刺交換するとよく尋ねられることがあります。
肩書きとして載せている「シンボライズディレクター」について質問されることが多いのです。
「すみません、こういったお仕事をされている方に普段お目にかからないので、、」と
申し訳なさそうに聞いていただいたりすることもあります。
お気をつかわせてしまい逆に恐縮なのですが、それもそのはず「シンボライズディレクター」は日本で私一人だからです。

私は「デザインは色や形のことではなく、価値をシンボライズすること」をコンセプトに活動しています。
デザインはあくまでも手段であり、企業や商品の見えない価値を具現化し、シンボライズすることを生業としています。
人がそれぞれ個性があり培ってきた環境が違うように、企業や商品にも個別のストーリーやコンセプトが存在します。
しかしその価値は目には見えないが故になかなか伝わりづらいものです。

そんな目には見えないけれど、大切な価値をシンボライズすること、それが私の仕事です。
そのため描いたり作ったりする前にまずはお客様の話をじっくり聞き、本当の価値はどこにあるのかを探ります。根本にある価値を引き出し、可視化すること。それを私は「シンボライズ」と呼んでいます。
「本質を最適な方法で表現すること」と言い換えることもできるかと思います。
目には見えていなかったコンセプトが、シンボライズすることによってロゴやパッケージといった個別の姿となって現すというイメージです。

シンボライズのイメージ

単にパソコンで絵を描くのではなく、このような考えで「デザイン」に向き合っていることを
知っていただく方法として、あえて聞き慣れない肩書きを載せています。

価値あるものが本来あるべき姿を持てば、世の中がもっと良くなっていくはずです。
国内で唯一のシンボライズディレクターとして、そのお手伝いをしていきたいと考えています。